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【試乗記】TRIUMPH TIGER900GT PRO
みなさんこんにちは。トライアンフ東京の蔡誠司です。
今日はアドベンチャー系のバイク、TRIUMPH TIGER900GT-PROを試乗しました。
見た目の大きさから不安だった足付きは、柔らかめな前後サスペンションが適度に沈んでくれるおかげで、予想以上に足が地面に届きホッとしました。
僕の身長は172センチなので、さすがに両足ベッタリとはいきませんが、両足裏の半分位は地面に着いています。
これなら、まず立ちゴケの心配は無さそうです。
シートに座った時のポジションは、自然な乗車姿勢でとてもラクチンです。
腕をスーッと伸ばしたところにハンドルがあるので、肩肘を張ることなく、どこにも力みが無いので、長距離でも疲れ知らずだと思います。
シートヒーターやグリップヒーターが装備されていて、高さ調節が出来るウィンドプロテクションもあるので、寒い季節のツーリングでも快適に走れそうです。
エンジンは下から上までトルクフルで、回すだけパワーもついてきますので、低速から高速まで気持ちよく加速してくれます。
そればかりか、低速の粘り強さもかなりのもので、クラッチミートさえ慎重にすれば、2速発進だってこなせる柔軟さもあります。
パワーをかけると滑ってしまう路面状況、エンジン回転をあげれないような場所でも、安心して走り抜けられるエンジン特性だと言えると思います。
あ、ちなみに2速発進は、タイガーのエンジンのフレキシビリティーを知っていただくために、あくまでもテストとして行ったものです。
皆さんはエンジンを痛める可能性があるので、やめてくださいね。
あと、タイガーにはクイックシフターも付いているので、ツーリングの帰り道、渋滞にハマってしまっても、左手が疲れてクラッチを握れないなんて事もありません。
クラッチなしでもシフトのアップダウンに合わせて、絶妙なブリッピングで回転を合わせてくれるので、ロングツーリングの帰りで疲れてる時にはありがたい装備ですね。
それから、操縦性に関してですが、ホイールサイズがフロント19インチ・リヤ17インチなので立ちが強く曲がりにくさがあるかな?と思っていたのですが、良い意味で裏切られました。
操縦性は至ってニュートラルで、曲がる時も適度なセルフステアを誘発してくれるので、ホイールの大きさや車体の大きさを感じることなく走れます。
きっと、走りだして交差点を一つ曲がるだけでも、その素直な操縦性はわかると思います。
そして、速度が上がるにつれて直進安定性は増していき、ドッシリとした安定感があるのですが、いざ、コーナー手前で減速すれば、ニュートラルな回頭性で、スーッとコーナー出口に鼻先を向けてくれるのですから驚きです。
そして、コーナー立ち上がりでスロットルを開けるとリヤタイヤを路面にしっかり押し付ける感じでトラクションがかかり、前へ前へと押し出してくれます。
これは、路面ミューが低いところでの走行を意識して、トライアンフがセッティングした結果なのでしょうけど、一般公道でもその素性の良さはハッキリ分かりました。
と、ココまでは良いことばかり言ってきましたが、ネガな点も少々・・・。
それは、渋滞の中を走っていて気付いたのですが、走行風が当たらないと、クラッチカバー付近が熱くなり、しっかりニーグリップをする乗り方をしていると、必然的に右足ふくらはぎの内側がクラッチカバーに当たりちょっと熱いです・・・。
でも、気になる点はそれくらいで、後は100点のバイクだと個人的には思います。
初心者の方からバイク歴10年以上のベテランの方まで、乗り手を選ばず楽しめる懐の深いバイクです。
もちろん、クラシック系のデザインが好き!っと仰る方からすると、このデザインは賛否あると思いますが、バイクで『走ること』が大好きな方は、ぜひ一度、試乗していただきたい一台ですね。