スタッフ ブログ
Sun Fun Village in Ishinomaki
先日、ショールームに男性3人組が立ち寄られました。
「購入を検討しているわけではないのですが…」と第一声。
どうぞどうぞ、ゆっくりしていってください。
お話をお聞きしたところ、宮城県石巻市の海沿いにあるホテルの方々でした。
「ツーリングライダー向けのプランもご用意しているので、パンフレットを置かせてもらえませんか?」とのことでした。
どうぞどうぞ、ん? もしかして?
パンフレットを受け取りお名刺をいただくと…、やっぱり!
僕の愛車がまだトライアンフではなかった2013年の夏、東北地方をツーリングした際にお世話になったホテルでした。
ホテルとはいえ建物も部屋もいたってシンプルなつくりで、お値段も非常にリーズナブルでした。
あの3.11から2年以上が経っていましたが、当時の東北地方、特に太平洋沿いには震災の「傷跡」ではなく「傷」そのものがいたる所に残っていました。
いえ、まだまだ傷だらけでした。
その日、海を左側に見ながら太平洋沿いを南下した僕の目的地はそのホテルでした。
美しい東北の景色と生々しい傷のギャップに目を奪われ、何度もヘルメットを脱いだりかぶったりしているうちに、すっかりあたりは暗くなってしまいました。
すると…、文字通り真っ暗です。
街灯も街明かりも一切ない幹線道路って想像つきますか?
信号機は時折現れては誰も通らない交差点でむなしく点滅を繰り返しますが、標識もまだほとんどありません。
あるはずの道がないので、スマートフォンの地図も全く役に立ちません。
ヘッドライトの明かりだけでは、陸と海の境界まであやふやです。
「到着が遅れます、今どこにいるのかわからないのです。」
ホテルに電話して道を訊こうにも、何も目印がなく現在地がわからない。
情けないことに、完全に迷子です。
迷うこと数時間、ようやく到着しました。
ホテルのスタッフの方々には、ご心配とご迷惑をおかけしてしまいました。
深夜の到着にもかかわらず、夕食もしっかりと用意してもらいました。
ホテルの灯りと、スタッフの皆さんのあたたかい笑顔に本当に救われた気がしました。
あれから4年、縁あってそのホテルの方々と、ここトライアンフ東京のショールームで再会できました。
こんな偶然ってあるのですね。
しかもトライアンフ東京を目指して来たわけではなく、たまたま通りかかったそうです。
「何かに導かれて」と書くのは大げさかもしれませんが、やはり「縁」を感じてしまいます。
「その節は大変お世話になり、本当にありがとうございました。」
あらためて、あの夜の感謝の気持ちを伝えることができました。
何日か続けて休みが取れたら、また行きたいな。
ふと、HPのライダーズギャラリーやfacebookをのぞいたら、あの賀曽利隆さんも何度かご利用されいるご様子でした。
復興を象徴する街のひとつ、女川のすぐ近くです。
みなさまも東北ツーリングの際に是非ご利用ください!
加賀