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彼の前輪が滑った
峠の標高は1472m。
4月最初の日曜日、午後の中途半端な時間帯、行き交う車の数は極めて少ない。
峠をパスした1台のオートバイが、照明の不充分なトンネルへ進入した。
トライアンフ・スラクストン。
ライダーは無意識にスロットルを緩め、フュエルタンクを両膝で軽く締める。
やがて前方に出口からの光が見え、逆光で路面状況がつかめないままトンネルを脱しようとする寸前、スラクストンの前輪が横に飛んだ。
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みなさんこんにちは!
セールスエグゼクティブの加賀です。
前回お伝えした通り私は4月1日に入社したのですが、その翌日からいきなり連休をいただいちゃいました。
春の訪れがゆっくりだった今年、卯月の声を聞いてもオートバイに跨がって風の中に入るとまだかなり肌寒い4月最初の日曜日。
少しでも気温が上がるのを待ち、10時半頃スラクストンに火を入れました。
目的地は前夜に急きょ予約した山梨県内のとあるゲストハウス。
行程的には普段の日帰りコースを2日間で走るのですから余裕のはず(でした)。
まずは、奥多摩を目指します。
コーナーをひとつクリアする毎に少しずつ下がっていく気温、早春のやわらかな日差しが救いです。
ところが、標高が700mを超えると、路肩には残雪が積もり
路上の気温計の表示は
ニド?
そのまま大菩薩ラインを通り柳沢峠にさしかかると、日陰のコーナーには雪の轍が残り、ついには空から白いものが舞い降りてきました。
それでも何とか峠をパスして、しばらく進むとトンネルがありました。
トンネル内のコーナーを抜け突然の逆光に視線を奪われた瞬間、出口手前の路面は雪の吹き溜まりでした。
ゆるやかな弧を描いていた前輪は一気にグリップを失い、直後取り戻したグリップによってハイサイドを食らって振り落とされそうに…。
何とか立て直せましたが、かなりヒヤッとしました。
雪の日のライディングは気を付けましょうね。
冷や汗で冷えた身体を温泉(大菩薩の湯)であたためて
今夜の宿へ向かいます。
お出迎えはヤギさん。
築300年を超える古民家をリノベートしたゲストハウスでかなり底冷えするのですが、どこか懐かしく、とてもくつろげました。
ゲストハウスでは珍しいことではないのですが、その夜も宿主さんと泊まり合わせたゲストで旅談議に花が咲きました。
ゲストのおひとかたは70過ぎの男性だったのですが、単独で日本中そして時には海外を徒歩で(!)旅していらっしゃるとか。
あちこち旅先での興味深いお話を聞かせていただきました。
こんな出会いがあるからツーリングはやめられません。
「眠くなってきたので、今夜はこのへんで。」
誰かの一言で、それぞれ床に就きます。
おやすみなさい。
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日曜日の次は月曜日です。
平日の空いた道路を快走し
時には日差しに恵まれ
冷えた身体を温泉(石割の湯)でほぐしつつ
家路につきました。
…明日からは、ちゃんと会社行きます。